てんかんに効くというケトン食、ご存知ですか?
一般的には、あまり知る機会がないと思います。
私も、長男が難治性のてんかんで、ケトン食のことを聞いたことはあっても、気にとめたことはありませんでした。
なかにはケトン食療法でてんかんの発作がなくなった人がいると知っても、なんだか特殊な方法と思い、薬でなおらないのになおるということはわけがわからないとも思っていました。
一度だけ、静岡てんかん•神経医療センターの先生に、ケトン食というものがあるがやってみる気があるかどうだろうとはなしにでたことがありました。
そのときも、長男はただでさえ食事を食べさせるのがむずかしく、体もとてもやせているのに特殊な食事をたべさせていくことはできないと、あっさりスルー。
ところが、そのケトン食の、有効性がはっきりとわかってきた、ということで、がぜん興味がわいてきました。
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ケトン食というのは、脂肪分の多い食事をすることで体内にケトン体を増やし、てんかん発作をおさえるという方法のための食事です。
そのケトン体が、てんかん発作をなぜおさえることができるのか、ということは、今までよく、わかっていませんでした。
飢餓状態では発作が出にくいということは、はやくから知られていたようです。
飢餓状態ではケトン体が増える、それによって発作がおさえられたのではないかということから、ケトン体を増やす食事療法を考えだしたということのようでした。
ケトン体といっていますが、そもそも、それは何でしょう?
アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸のことをまとめてケトン体といいます。
ケトン体は脂肪の分解により肝臓で作られ、血液中に出されます。
岡山大大学院教授の森山芳則さんらのグループが、こんかい、ケトン体が脳内の神経伝達物質の過剰な分泌をおさえている仕組みを解明したのです。
⇒『代謝によるグルタミン酸の輸送と放出の制御』
⇒記者会見「ギリシャ時代からの難問:飢餓がてんかんを抑える仕 組みがついに解明された。」
脳の中には、たくさんのグルタミン酸がふくまれています。
このグルタミン酸は、脳の中だけでつくられています。
グルタミン酸?
あのうまみ成分のグルタミン酸とおなじモノですね。
脳の中のグルタミン酸は、記憶や思考、行動といった精神活動を支える興奮性の神経伝達物質です。
ところが、この神経伝達物質のグルタミン酸が、過剰になると、てんかんの発作がひきおこされてしまいます。
グルタミン酸をシナプス小胞に運ぶ小胞型グルタミン酸トランスポーターというものがあります。
そして、このトランスポーター上に、トランスポーターの働きをオン・オフするスイッチがあることを発見したのだそうです。
ふだんは、このスイッチは、オンになっているのだそうですよ。
ところが、飢餓状態でケトン体が増えると、オフになるのです。
そーして、グルタミン酸の働きが低下し、発作もおさえられる、そんなことのようです。
てんかんの発作を起こさないひとの場合は、スイッチオン状態が続いても、問題ないのでしょうね。
興奮性の神経伝達物質グルタミン酸を、車のアクセルに例えることがあります。
てんかんの発作は、アクセル強くふみ過ぎ、というイメージかもしれません。
ケトン体が増えることで、このアクセル信号のもとのもとの働きにストップをかける、といえばいいのでしょうか。
なかなか、むずかしいはなしですよね。
けれども、脳内のグルタミン酸の過剰な状態は、アルツハイマーなどのほかの神経疾患にもかかわっています。
ケトン体の働きにかわるような薬を開発することができれば、てんかんにも、その他の脳の病気にも有効だろう、ということで、かなり期待がもてそうです。
もっとも、新薬が開発されることになったとしても、実用までにはまだまだ長ーいみちのりでしょうから、まずはケトン食のことについて、もう少し調べてみたいと思います。
いつもありがと!きょうもうっとり、potiをおねがい!

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