血管のはなし、きのうの心臓のはなしにひきつづいてです。
血管が人間のからだの中でおよそ、10万キロメートルもの長さがあることを書きましたが、血液はいったいその血管の中を、どのくらいの早さでながれているものなのでしょう。
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これは、なかなか難しくて、動脈静脈の血圧の違いとか、いろいろな要素があって、単純にはいえないことのようです。
心臓が血液を押しだした瞬間には早く、そうでないときにはかなりゆっくりになる、ということもあります。
血管の太さによっても違い、末端の細い毛細血管では、1秒間に0.05〜0.1cmという早さです。
静脈が15〜20cm、動脈が20〜50cmと、かなり違いますね。
とくに、左心室に始まって体の上方、頭の方向に向かって上行する大動脈の流れが早く、平均で1秒間63cmとなっています。
どうですか?
はやいと思いますか?まあまあこんなもの、でしょうか。
毛細血管は、まあ遅いといえば遅いですよね。
そんなにゆっくりで、いいのでしょうか。
毛細血管は、ひかくてきゆっくりと、でも滞ることなく流れながら、とても高度なことをやってのけているのです。
まず血液によって、酸素が肺からはこばれてきます。
消化された栄養素もはこばれます。
それから、だいじな水分も。
この荷物を宅配のようにつぎつぎと送り出し、体中の必要な場所へおくりとどけます。
毛細血管はうすくて、すきまがあるので、必要な細胞へ受け渡しができます。
そしてなおかつ、かえりには要らなくなったもの、使い終わったものも引き取っていってくれるのです。
老廃物や尿となる水分、二酸化炭素ですね。
おまけに、どこかにひそむ細菌やウイルスという敵をみつけだすためのパトロールもおこたりません。
白バイ、白血球ですね。
このためにこそ、血管はつねに血液をながし続けるのです。
こんな血管は、とても人間がつくりだすことが難しいのですね。
そして血液も。

『いちばんやさしい生理学の本』が、こんな目から鱗や目が点なおもしろいはなしを教えてくれます。
札幌医科大学医学部教授の當瀬規嗣さんが書いた本ですが、同じ作者の『よくわかる生理学の基本としくみ』もあります。
こちらのほうが専門的ですが、両方あると、なるほど納得度がふかまります。
いつもありがと!きょうはすっきり、potiをおねがい!

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