片付ける、片付けをする、って、どういうことでしょう?
小さい頃から、きちんと片付けてって言われるし、あたりまえのことなんだけれど、なかなかできないことでもありますね。
山本ふみこさんの『片づけたがり』を読んでいて、たんにきれいになればいいんじゃないんだなあ、と思っています。
山本ふみこさん、じつは片付けのできない子どもさんだったそうで、彼女のお母さんはといえば、「片づけの権化」のような方だったのだそうです。
それで、
散らかしまのわたしはしかし、自分のことは一切棚に上げて、家とはすっきりと片づいた、気持ちのいい場所だと信じきっていたのだった。自分の部屋はいつも大変な騒ぎだったが、居間や台所、食卓まわり、浴室、玄関、どこもかしこも片づいていたからだ。装飾品のようなモノもごくわずかで、なんというか、風通しのいい空間がひろがっている……。
という状態だったそうですが、いまの私には、なんとも耳の痛いはなしです。
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さいきん私は、子どもが興味をもった『大草原の小さな家』シリーズをいっしょに読んでいるのですが、ここには、いがいなほどお掃除や片づけのシーンがでてきます。
大草原で家をつくるまで、一家は幌馬車で旅をつづけますが、そのあいだもちゃんと食器を使って食事をし、終われば洗って片付ける、ローラもメアリーも、夜になればねまきに着替え、ナイトキャップをかぶって眠るという生活なのです。
移動している間は、移動していること自体がふつうの生活なので、できるだけいつもの、生活どおりにしているのです。
日常のことを行って、使ったものは片付けて。
父さんが壁だけ完成させて屋根もまだきちんとできていない家の中でのはじめての食事のときさえ、
みんなのすわったテーブルは、西側の窓ぎわにある。父さんが大いそぎで、樫の板を二枚つかって、つくったテーブルだ。板の片はしは、壁のすきまにつっこんであり、もう一方のはしは、みじかい丸太を立てた上にのせてある。父さんが斧で板をけずり、母さんがテーブルクロスをその上にかけると、すてきなテーブルができあがった。
床は土で、母さんが柳の枝のほうきで、きれいにはいてある。土間のすみには、きちんとベッドができていて、パッチワークのキルトがかかっている。
父さんの銃は、入り口の上の鉄砲かけにかけてある。箱やつつみは、小ぎれいに、壁ぎわにならべた。
という気持ちのよさなのです。
「きれいに」「きちんと」「ていねいに」ということばが、気をつけてみるとなんとたくさんでてくることか。
大原照子さんの本にも、こんな一節がありました。
遊んでいても人間の生活がある限り、家事はつきまとうのだということを実感しました。小さなひとり用のテントの中でも掃除が必要になりますし、日が照っていれば寝袋を干したくなります。
これは、大原照子さんがイギリスに滞在中に、友人と夏休みを一ヶ月ほどキャンプしながら旅をしたときのことです。
これは、大原照子さんやローラの母さんが、きちんとしたい質の人だからでしょうか。
私も、ずーっと片付けられない人でした。
小さい頃も、大きくなってからでも。
やっと、きれいにすることにめざめたのは、やっぱり結婚してからのことです。
片づけがまるで嫌いなわけではなかったと思うのです。
自分の部屋も、一人暮らしの下宿も、ときには思いついて大掃除したり、きれいにみせる工夫を考えたりしていたのですから。
ただ、いつもきれいかというと、まったくそうではなかったんですね。
結婚して、そこそこきちんとすることに気を配っていたのに、子どもができて二人目がうまれて、ひっこしをくりかえしながらいつのまにか、荷物も増えて、という中で、片付けはあとまわし、あとまわしになっていたのでした。
子供部屋だけは散らかっていて、机の上では宿題をする余地もなく、床の上でノートを広げ、床の上もいっぱいとなると「机の上の山を、ががーっと、となりの弟の机に移動させて」宿題をやっていたという山本ふみこさん。
今の私の家は、どちらかというとそんな子供部屋に、似ています。
ふだん生活しなければいけない空間は、なんとか確保できているものの、まわりを改めてみまわすと、ああ、目を覆いたくなるばかり。
なにかが違っていたとしか思えません。
子どもには、片付けをきちんとさせようとしますが、まわりの空間は、すっきりとはほどとおい、なんとか収まっていはいても、いっぱいはみだしていたり、ゆがんでいたり。
とりあえず、の集積が、これでした。
山本ふみこさんは、この子供部屋の状態からどうやって、いまのすっきり生活にすることができたのでしょう。
「『片づける』と『片づけない』のあいだに、それほど隔たりがない」ということばにヒントをいただきながら、私もそろそろ、自分の生活に真剣に勝負だ、と思うのです。
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