季語のはなし。
またまた『絶滅寸前季語辞典』からなのですが、「雀大水に入り蛤となる」という、季語がありました。
「すずめうみにいりはまぐりとなる」というのですが、意味がわかりません。
そしてこの季語は、五七五の17文字で構成される俳句のうち、15文字も占めるという、不思議さです。
こうなると、季語って何?というはなしにもなってきますね。

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「雀大水に入り蛤となる」は、七十二候のひとつとあります。
さて、まず七十二候とは?というところも知らないので、調べます。
二十四節気というものがありますね。
こちらは、立春、春分、夏至、立秋、秋分、冬至、大寒など、知っているものも多くあります。
啓蟄や大暑など、聞いたことはあるというもの、小満、小雪、大雪など、聞いたことないというものもありますが、とにかく24の季節を表すことばです。
七十二候は、それをさらに3つづつにわけた、季節の呼び名です。
ほぼ5日間ごとにめぐってくるわけです。
中国でむかし考えられたものだそうで、動物や植物、気象などの、その季節らしい事項を伝えることばになっています。
日本では、中国のことばそのままで使われているものと、日本の気候風土に合うように変えられたものとが混ざっています。
「雀大水に入り蛤となる」は、寒露のまん中にあたる季節で、「雀入大水為蛤」と中国のものですが、俳句の季語としてはのこっているのです。
甘露は10月8日ころ。
ちょうどコレを書いている、今日じゃないですか。
「雀入大水為蛤」の季節は、10月13日ころということになりますね。
どうやら中国では、雀は蛤になると思われていたらしいのです。
ほんとうにそう信じたかどうかはともかく、晩秋になると雀が海に集まり鳴き騒ぐ、それがあるときいなくなるのは、海に入って蛤になったからではないかと考えた、そんなことらしいのです。
蛤と雀、色あいや模様が似ているといえば似ているような。
でも、ちょっとおもしろい感覚ですね。
季語は、
き‐ご【季語】の意味とは - Yahoo!辞書季節と結びついて、その季節を表すと定められている語。
とあるので、七十二候のひとつが季語に入っているのも、不思議なことではないのですね。
おもしろくなっていろいろ調べていると、同じ「雀大水に入り蛤となる」でも「すずめおうみにいりはまぐりとなる」と読むこともあるようです。
こうなると、あと2文字のこっているどころか、1文字ぶんしか俳句に入りません。
また、「雀海中に入り蛤となる」とする季語もあるようで、これは「すずめかいちゅうにいりはまぐりとなる」と読みます。
これは、季語だけで俳句が成り立ってしまうということでしょうか。
俳句の雑学6蛤になる苦も見えぬ雀かな 一茶
蛤に雀の斑(ふ)あり哀れかな 村上鬼城
蛤や少し雀のこゑを出す 森澄雄
子は雀身は蛤のうきわかれ 漱石
とあるのをみると、そういう季語の使い方もあるんだと納得しました。
ゆくゆくハ雀もあちなものに成 (ゆくゆくは すずめも あじな ものに なり)
と、これは川柳ですが、こうなると、俳句も川柳も紙一重という気もします。
まだまだおもしろいものが埋もれていそうな、季語の世界です。
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参考HP『季語』
参考HP『俳句の雑学6』
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