2010.08.25

助詞の使い方 に・へ編

 [助詞] ブログ村キーワード


助詞使い方、難しいですよね。


前回のブログで、日本語のひと文字を工夫することのおもしろさや難しさについて書いてみたのですが、ちょうどその後に、「オっ」と気になる文を読みました。

それが、『日本語の教室』の、「日本語がよく書ける、よく読めるようになるには、どうすればいいのでしょか。」の一文です。


たとえば「へ」と「に」について。

学校へ行く     学校に行く
散歩へ行く     散歩に行く
修学旅行へ行く   修学旅行に行く
家へ行く      家に行く
森へ行く      森に行く
図書館へ行く    図書館に行く
海外へ行く     海外に行く
ハワイへ行く    ハワイに行く
食事へ行く     食事に行く


正しいような、どこかひっかかるような。
どちらとも使えるけれど、どちらかがしっくりくる場合もあり。

さて、その違いは?


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大野晋さんによれば、「へ」について『万葉集』の例をあげて

都へのぼる
筑紫へ遣りて

と「移動の動作を導」くとしています。

目的地が遠い場所で、そっちの方へ向かって移動するという感じですね。

「海外へ」や「ハワイへ」がしっくりするのは、そういうことかもしれません。
「家へ」も「学校へ」も、自分の今いる場所によっては、使うこともあるでしょう。


文章がうまくなるコピーライターの読書術』にあげられている角田誠さんのコピー

 ゲートを進むダークなロングコートの隊列。私は大きなストライドで抜け出す。
 (中略)
 滑走路を望みながら、動く歩道へ。


滑らかな動きやスピード感をかんじますね。


それでは、「に」についてはどうかといえば

比良の港に漕ぎ泊てむ
寄する波、辺に来寄らば

と、「動作が着いて止まる」ようすをあらわすとしています。

到着地点としての場所、そこで目的を達する場所であるとすると、「学校に」「図書館に」はなるほどと思えますね。


「に」も「へ」も、格助詞ですが、「に」には、さらに複雑な使い方もあります。

五時に会おう
左手に見えますのが……
あなたに似ているわ
子どもを迎えに行かなくちゃ

などと、目的となるものが場所だけでなく、名詞だけでもないわけです。

こうなると、手に負えません。


まずは、「へ」と「に」。

どちらを使っても、通じることは通じるのです。

ただ、どっちでも意味がわかるというよりは、そのひとつの助詞によって微妙にイメージされるものがちがう、そんなことを意識したらいいのかなと思います。


さて、同じく『文章がうまくなるコピーライターの読書術』からですが、

……恨みのせいもあったかからだが弱くなって、心細くなった更衣は多く実家へ下がっていがちということになると……
与謝野晶子

……ひどく病身になって行って、何となく心細そうに、ともすると里へ退って暮らすようになりましたが……
谷崎潤一郎

……次第に病がちになり衰弱してゆくばかりで、何とはなく心細そうに、お里に下がって暮らす日が多くなってきました。
瀬戸内寂聴

……恨みをかったからであろうか、大変、病気が重くなって、何となく心細く思うようになり、実家に下がっている事が多くなったのを……
上野榮子

……ささいな心配事で神経をすりへらしてしまい、健康がおとろえ、ひどく憂鬱がちになり、しばしば実家に引きこもるようになった。……
アーサー・ウェイリー


有名な『源氏物語』の冒頭、「更衣がもの心細げに里がちなる」の部分を抜粋してみました。

「実家に」「里へ」と、それぞれ違いますね。

ここまでくるとイメージの世界で、どちらがよいともいえませんね。


関連記事☆こちらも読んでね☆
 日本語に関する「日本語のひと文字をたいせつに」
 ⇒ライフスタイルblog彩top

  
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参考HP『日本語Q&A 助詞関連』

参考HP『Yahoo!辞書 - に』

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