2010.05.17

絵ろうそくのこと


古ーい雑誌の切り抜きをなつかしく見ていたら、会津の手描き絵ろうそくのお店の紹介がありました。
会津絵ろうそくの小澤蝋燭店です。


菊やつばきなど、赤い花が描かれているのがめにつきます。


会津の絵ろうそくは、五百年も昔から作られ始めたということで、現在も江戸時代から変わらぬ作り方でしあげられているということです。


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会津の絵ろうそくは、もともと漆からとったロウでつくられました。
漆、漆器にぬるために樹液を使うのですが、その実は、ロウになるのだそうですよ。


というのは、動物や植物から採取された油脂で、近年では石油系のものが主に使われています。
室温では個体で、その気体がよく燃焼するため、古来、蝋燭として明かりにもちいられてきました。


日本では、植物系の蝋として、漆やハゼノキが使われてきましたが、サトウキビ蝋パーム蝋なんていうのもあるそうです。
動物系のものとしては、鯨からとれる蝋。
また、ミツバチが巣をつくるときに出すという蜜蝋も、最近ではよく知られるようになりましたね。


漆からつくられる蝋燭の伝統も、昭和30年以降まったくとだえてしまっていました。
それを、大変な苦労で試行錯誤のすえに、漆蝋の蝋燭として復元されている方もあるようです。


小澤ろうそく店の絵ろうそくは、今ではハゼロウを使っていますが、昔ながらの手仕事でつくられています。
絵つけの部分は、体験もできるそうです。


絵ろうそくは、東北や北陸などの寒冷地で発展しました。
生花が入手しにくいため、冬期などに代わりに花の絵を描いたろうそくを仏壇にお供えしたというのが、その発祥というはなしもあります。


山形県鶴岡市には、やはり300年の歴史をもち、御所車や蓮華、花模様などをえがいた絵柄「花紋燭」とよばれる絵ろうそくがあります。


絵ろうそくというと、小川未明の『赤いろうそくと人魚』を思いだしませんか?


さむい冷たい海よりも、人間の世界で幸せに暮らしてほしいと、人魚の母親は、うまれたばかりの自分の子どもを小さな村のお宮の石段の下においてきます。

 にんげんは、この世界のうちで、いちばんやさしいけものであときいている。そしてかわいそうなものや、たよりないものは、けっしていじめたり、くるしめたりすることはないときいている。

『赤いろうそくと人魚』小川未明
ということを信じて。


幸い、近くに住むろうそくをあきなう老夫婦に拾われて大切に育てられ、人魚の娘は、うつくしいきりょうに育ちました。


娘がさかなや貝などをうつくしく描くと、みんながそのろうそくをほしがりました。
そのろうそくを山の上のお宮にあげて、その燃えさしをいただいて懐に入れて海に出ると、不思議と災難にあわないといううわさまでがひろがったのです。


人魚の娘は、人間でない自分を育ててくれた老夫婦に恩を感じ、いっしんにろうそくに絵をかきつづけたのでした。


ところが、この老夫婦のところへ人魚のうわさを聞きつけた香具師がやってきて、娘を売ってくれといいます。
大金に目がくらんだ老夫婦は、とうとう娘を売り渡すことにしてしまいました。
いよいよ連れて行かれるという時になって、娘は、せきたてられるままにろうそくをすべて赤く塗りました。


その真夜中に、女があらわれて赤いろうそくを買っていきます。
海は、たいへんなしけになりました。


その後にも、山のお宮に赤いろうそくがともることがあり、そんな晩にはきまって、おお嵐になりました。
赤いろうそくをみたものは、きっと、海でおぼれてしんでしまうことになりました。


ろうそく屋の老夫婦は、かみさまのばちがあたったと、ろうそく屋をやめてしまいました。
お宮のふもとの町も、ほろびてなくなってしまいました。


なんとも、かなしい、凄いお話ですね。


この、『赤いろうそくと人魚』のもとになったという伝説が、新潟県上越市大潟区の雁子浜にのこっています。


伝説では、佐渡島に住む娘が、雁子浜に住む男にあうために、たらい船にのって海をわたります。
雁子浜の、明神様のあかりをたよりに毎晩かようのですが、一夜、男が明かりを守ることをしなかったばかりに、娘は海をわたりきれず溺れてしまいます。
それを知った男も、あとをおって海に身を投げます。


ふたりを葬った塚はいつか、人魚塚とよばれるようになったということです。


鵜の浜温泉に近い雁子浜の海をみはらす人魚伝説公園には、人魚塚伝説之碑がたっていますが、古くからの言い伝えの人魚塚は、現在の浜辺からは少し離れた小高い丘の畑の奥で、熊笹の葉に覆われるようにひっそりと在るそうです。


上越市のあたりにろうそく店があるかどうかはわかりませんが、新潟県には、やはりろうそくづくりの伝統があり、花ろうそくをあつかうお店が、今でものこっています


日本海から東北地方に残る絵ろうそくは、きびしい風土のなかではぐくまれたものだからでしょうか。
華やかでありながら、どこかはかなげでもあるような美しさです。



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参考HP『会津絵ろうそく 小澤蝋燭店 - 会津ブランド|会津 史・季・彩・再』

参考HP『鵜の浜どっとこむ - 人魚伝説』

参考HP『「人魚伝説と夕なぎの海岸線、懐かしく心地よい風景」 行こう観光!!【にいがたdeネット】』

参考HP『花ろうそくのお店「小池ろうそく店」』

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