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「開いた、開いた。
何の花が開いた。レンゲの花が開いた。
開いたと思ったら、いつの間にかつぼんだ」
この、レンゲの花は、よく田んぼにいちめん咲いていた、あのレンゲだとおもっていました。
ところが、蓮華、蓮の花のことなんですね。
レンゲは、豆科ゲンゲ属のゲンゲ(紫雲英、学名 Astragalus sinicus)のことで、レンゲソウ(蓮華草)とも呼ばれます。
花がまるくかたまってついているようすが、仏像の蓮華台のようだからということですよ。
いっぽう、睡蓮という花もあり、私は同じもののような気がしていましたが、どうやら違う植物のようです。
睡蓮は、スイレン目、スイレン科、スイレン属。
モネの睡蓮は、この花ですね。
蓮は、スイレン目、蓮科、蓮属。
古来は、花のつく枝の先端がふくらんで実のようになっている部分が、蜂の巣のようにみえることから、ハチスとよばれていたという説があります。
ハチスがハス、蓮になったということですね。
水芙蓉(すいふよう)、芙蓉、不語仙(ふごせん)、池見草、水の花というような、名前ももっています。
その蓮の花を、蓮華というのだそうです。
仏像の台座のひとつに、蓮華の花をかたどったものがあります。
おもに如来や菩薩の台座としてもちいられることが多いようです。
汚い泥に染まらず清らかで美しい花というイメージは、台座にぴったりだったのでしょう。
いまでも、仏像の台座としてよく見かけますね。
レンゲと、蓮華台と蓮華、ややこしいですねえ。
さて、この蓮華を咲かせる蓮の地下茎がレンコン、蓮根ですね。
茎にも、通気のための穴があいているんだそうですが、なんだか不思議な植物です。
私には、この蓮根のできている様子というのが、どうも想像できません。
蓮の根っこから花までの全体像が、どうも思い浮かべられないですね。
そんな泥に埋まった部分を掘り出して、誰が食べようと思ったのか、それも不思議です。
それでもとにかく、蓮根はおいしく、いがいといろいろな調理法を楽しむことができます。
つごう良く、穴なんかも空いているので、なにかしら具をつめることができます。
穴があいているので見通しがよいことから、縁起がよいことに通じ、おせち料理などにも欠かせませんね。
もうずうっと以前に、なにで読んだのか、林芙美子さんの小説にからし蓮根がでてきたことを思いだします。
しらべてみると、『風琴と魚の町』でした。
からし蓮根という名ではなく、からしをつめた「蓮根の天麩羅」としてでてきます。
なんだか印象深くて、ほかの部分はあまり覚えていないのに、「蓮根の天麩羅」のことは覚えていました。
蓮根、たしかに天麩羅にしても、美味しいですね。
これからの季節、蓮根だけを揚げたり煮たり、他の材料といっしょに煮たり、詰めたりはさんだり、と、食卓に蓮根を登場させるのが楽しみになってきました。

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