2009.09.25

杉浦日向子さんの江戸ご隠居ライフ

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村 [江戸] ブログ村キーワード

図書館で、『呑々草子』なる本にであいました。

作者は、江戸をえがく漫画を描いていた杉浦日向子さん。

なんだか、のんびり、のったり、ゆったり、旅をして歩いているようでいいなあと思いながら、よみはじめました。

そういえば、杉浦日向子さんご自身が、そんなふうにゆーったりした生き方をしたかただったなあと、思いだしました。


ずいぶん前にお若くて亡くなられたと思っていたのですが、さて、どういうことで亡くなられたのか、漫画家もご自分で止めてしまわれていたのだったなあと、ちょっと気になります。

 懐かしい杉浦日向子作品
杉浦日向子さん、亡くなったのは2005年7月22日のことでした。
満46歳で亡くなられたのですが、もっとお若いうちのことのように思っていました。

1993年には漫画家引退宣言をしていらっしゃったので、漫画自体は早くに描かなくなっていたんですね。

NHK総合テレビで、「コメディーお江戸でござる」の江戸の歴史、風習についての解説をされていたのは、1995年からのこと。
2004年の春まで出演されていたのですから、思ったより長いですね。

「お江戸でござる」じたいを好んでみていたというわけではなかったのですが、だれかがつけたテレビでふと杉浦日向子さんをみることもあって、ずっとかわらずにお若い方なのだと思っていました。


じつは骨髄移植以外に完治する方法のない血液の免疫系の難病であったのだと、多くの人はあとで知ることになります。


ご本人は、いつから知っていらしたのでしょう。

『呑々草子』は、1992年から93年にかけて『小説現代』に連載されたものです。

このなかにも、
 
(前略)三十四を隠居の年と決めていた。
 それは十七の時、あと折り返し十七年シャバにいれば存分、と思ったからだ。
 もとより隠居体質なのだろう。

と、漫画家を止めることについて書いています。


巣鴨刺抜き地蔵さんの縁日に行き、
 バザールだ。お婆ちゃん達のバザールだ。原宿なんてメじゃない。(中略)
ここは、此岸と彼岸の間に横たわる、図太いバザールだ。(中略)
 時は命の消費なり。命の消費は光の照射なり。何言ってんだか分からないが、結局、闇に一本また一本と、マッチを擦るように、着実に本数を減らしつつ、命を燃やして、様々なものを見、触れ、味わっているのだなあと、地蔵通り商店街を歩きながら、生まれ落ちたら当然の約束を、ひとりごちていた。


なんだか、ひとごとのように客観的に言っているようではあるけれど、人間の命をみつめていないと、「生まれ落ちたら当然の約束」も忘れてしまうものです。

津軽海峡では

海峡の波の彼方へ、葬る過去がない。(中略)
 忘れてる。片っ端から、忘れる。過去も未来も、ない。今日だけ、今だけ。
 タブン、記憶の容量が、貧弱なのだ。まず、江戸の雑録を最優先にインプット&ロックすると、その他の登録スペースは、ごく僅かになってしまう。(中略)
 で、忘れる。恥ずかしい事、厭な事、ゴマンとしでかしている筈だが、忘れる。かなり都合の良い人間だ(これも天啓と思う)。


と、病のことを知ってみればなるほどという、杉浦日向子さんの不思議な存在のしかたを思います。


そんなこんなで
 起きては伏し、その間にちっと呑む。無為の日々。たまさか生かされているだけの存在。問答無用の無手勝流。
 「隠居になる」とは、「手ぶらの人になること」と思う。「手ぶら」は、持たない、抱えない、背負わないだが、ポケットに小銭はじゃらじゃら入っているし、煩悩なら鐘を割る程胸にある。
 だから、抹香臭い「無一物」やら「清貧」とは、まるで違う。世俗の空気を離れず「濁貧」に遊ぶのが隠居の余生だ。

と、わりきる。

病気であるということで、さらにあっけらかんとした境地へたっしたのかもしれませんが、ほかにはない、隠居という生き方、なんともいえません。

下咽頭癌というさらなる難病をかかえることになり、最後はそれで亡くなられるのですが、それでも最後まで、隠居生活を楽しんでいらっしゃったのです。


杉浦日向子さんの漫画は、さいきんになって、私のなかにしっくりはいってくるようになりました。

杉浦日向子さんの漫画をよみはじめたきっかけが、どんなことだったのか忘れてしまっていて、たまたま手にしただけだったのかもしれませんが、であっていてよかったと思える方であり、何度も思いだしては読みかえすのだろうと思います。




 △△△
ランキング参加! 
なるほど!とか感動!!があったら応援クリックお願いします


関連HP『さようなら杉浦日向子さん』 〜筑摩書房


関連HP杉浦日向子ファンサイト 江戸から来た人

ブログ♪117『一日江戸人』 杉浦日向子 初版1998年 『さくらの読書スイッチ 』

ブログ♪『4時のオヤツ』杉浦日向子 『ココロの森』

ブログ♪鯖の味噌煮と高清水 『simple de smile cafe』

ブログ♪もっとソバ屋で憩う  -きっと満足123店-  (杉浦日向子とソ連)  『麺の食べ歩き(蕎麦・中華そば・うどん) 趣味(本・音楽・お酒)』



⇒こちらも読んでライフスタイルblog彩
 ☆『指切りげんまん、ウソついたら針千本
 ★『江戸好みの桜餅

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
出会い系サービス
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。