2009.08.31

バリアとバリアフリー

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長男、重症心身障害児と車いすをおしながら散歩。
これが、けっこうたいへんなんです。

なぜかといえば、道がでこぼこだから。


ちょっと油断すると、マンホールや道路工事後で、がっくん。衝撃。
道路がみためではわからない程度にまんなかが盛り上がっているので、いつのまにか自然にカーブして、みちのはしにつっこんでしまいそうになったり。
これは、歩道がないので、しかたなく車道を行っているときのことです。

歩道も、はじまりに段差があって、よいしょっと前輪をあげてからのりあげないといけなかったり。
車道しかなかったところへ、道路わきのU字溝にセメントの板をのせて安易に歩道をつくってあるので、がっこんがっこんしちゃいます。


選挙が終わって新しい政権になりましたが、福祉といったらなにか施設をつくったり、公共の建物だけをバリアフリーにしたり、お金をだそうというだけでなく、街ぐるみのバリアフリーをかんがえてほしいものですね。


光野有次さんの、『バリアフリーをつくる』という本でも、「障害は社会環境がつくるものである」といわれています。

これは、以前にも書いたかもしれませんが、『障害ともつ子のいる暮らし』(毛利子来・山田真・野辺明子 編著)のなかでもいわれています。

障害というのは、簡単にいって、社会的な概念です。つまり、ひとりの人間だけを見て「障害児だ」とか「障害はない」とかはいえず、社会との関連で、初めて、意味づけられる事柄なのです。
 ですから、その状態が、個人にとってどうであるかにかかわりなく、普通の世間で生きにくく、世の中から不利益をこうむったり、差別を受けたり、はじき出されたりしたときに、障害というものになるわけです。


そしてさらに、
「スウェ−デンではたんなる身体障害者はもはやハンディキャップとは呼ばれない。もし、いまだに彼らがそう呼ばれているならば、それはわれわれ政府の責任であり、またスウェーデン社会の責任である。」
『バリアフリーをつくる』


とまで言われているのです。

これは、光野有次さんが、スウェーデンの政府の方とおはなししたときのことばですから、いかにスウェーデンのバリアフリーがすすんだものであるかがわかるでしょう。


光野有次さんは、障害者のための用具、とくに椅子に関して、ご自分でデザイン研究をつづけてこられたかたです。
現在は、北欧の福祉用具の紹介・普及、車椅子の研究・開発・販売をおこなっているパンテーラ・ジャパン株式会社の代表取締役さんです。


はじめに長男が車いすで散歩、ということをかきましたが、じっさいには、車いすとは違うものです。

座位保持椅子といいます。

@低緊張下の体幹筋が姿勢保持に必要な筋緊張を得られやすくなる。また、立ち直りや平衡反応が現われやすくなる。
A脊柱のアライメントが整えられたり、対称的な姿勢が得られ易くなることによって腰背部の痛みや、辱創の問題の解決となる。
B体幹の安定によって上肢動作の機能改善および目と手の協調性の発達が期待されます。
C座位保持装置によって体幹が伸展位に保持されることにより、呼吸機能が改善されることが期待できます。さらに、頭部の姿勢が改善されれば、口腔機能や嚥下機能の改善にもつながります。
D良好な姿勢に保持されていれば、比較的前方を見ることができ、視線の交わり合いでも対社会との交流が期待され、顔の表情や目の輝きが変化することが経験されています。

と、医療やリハビリ的に難しいことばでその効果をあげていますが、とてもかんたんに言うと、寝たきりのはずの人が、寝たきりでなくなる、自力で座ることができなくても座るという形をとりつづけることができる、ということです。


重症心身障害児の長男は、自力では移動ができません。

そして、ごく一般的な身体をもっていると想像できにくいことなのですが、座るという力のいれかたが、まったくできないわけです。

たとえば、ごく普通の車いすに長男を座らせると、眠った子どもをすわらせたようにぐにゃっと曲がり、ずるずるとすべちおちていきます。
それを、あぶない、とストップをかける力、自分で元に戻ろうとするバランス感覚もありません。

ですから、ふつうの車いすではなく、座位保持椅子と呼ばれる、特別な装置が必要なのです。
これは、ベルト類で必要に応じてからだを座面や背もたれの部分に固定したり、足もぶらぶらしないように足のせ台があったりします。
頭も、固定しなければいけません。
頭の部分がないと、がっくり後ろにおれまがったままか、まえにたれたままになります。
適度に頭にヒィットする、くぼんだ形のまくらのようなものが、せもたれの上についています。

そして、たとえ重症心身障害児といえども、個人によってかなり使える部分使えない部分がちがいますね。

わが家の長男は、赤ちゃんが4ヶ月くらいで獲得するという首座りもあやしいので、頭部の枕もぜったい必要ですが、そうでないお子さんも多いのです。

こういった座位保持のための椅子で、なおかつ移動ができるために、室内ではキャスターが付いていたり、外出用には少し大きめのタイヤが付いていたりします。


これを、個人にあわせてつくってくださる工房のかたがいらっしゃるのですから、ありがたいこと、このうえもありません。

この座位保持椅子がなければ、どこへも出かけられません。


昔からあったわけではないでしょう。
座位保持椅子のようなものができたのは、ここ、2、30年の間のことではないかと思います。

こうして、重症心身障害児にも、自分がいる場所以外の場所へ移動する、戸外へ出る、ということのバリアがなくなったのです。


それでも、戸外へ出ると、まだまだバリアフリーではないのです。

悪路、段差などですね。


これらは、重症心身障害児であるということだけでなく、ほかの障害のあるかた、ベビーカーも、車いすでないと移動のできない怪我をしたかたや高齢者もしめだします。

とくに高齢者の多くなった日本では、問題は深刻なのではないでしょうか。

高齢者で車いすが必要となっても、従来の日本家屋では、玄関の段差や畳の部屋、廊下の狭さなどがネックとなって、室内でさえ移動ができません。


人間は誰でも、ベビーカーにのる赤ちゃん時代も、からだが思うように動きづらい高齢期も、経験しなければならないのです。


障害者のためというだけでなく、だれもが一生をとおして暮らしやすい街、そんな街づくりが、日本でも実践できるでしょうか。



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関連HP『パンテーラ・ジャパン』

関連HP補装具のページ  『「こどものて・あし」ホームページ』宮城県拓桃医療療育センター

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