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ブログを書けば書くほどに、知りたいことがどんどんふえます。
はじめのいっぽは、私がおもしろいっと思ったことを書くのですが、それについて調べたり、ネットで検索したり、関連情報をあつめていると、もっともっとおもしろいことがでてくるのです。
さいきんは、橋本治さんの『ひらがな日本美術史』と白川静さんの本がいりまじって、日本の古代に興味がでてきました。
そして、『文字の起源と歴史』。
この本のなかに、日本語についても記述があり、おもしろいので紹介してみます。
しかしこうした借字は、二つの言語が似ている場合はいいだろうが、日本語と中国語のようにまったく違う場合にはひどく不便なことになる。それに対処するために日本の文字は完全な二本立てになった。数千個の漢字の他に、日本語の基本的な音声を表す音節文字──約50個の「かな」──が使われている。そのため日本語の文には漢字と音節文字が入り混じっており、一般に世界一複雑な表記システムとみなされている。
「世界一複雑」、なるほど。
そのために、私たちは苦労するわけですね。
なんとなく中国語と日本語は似ているのかと思っていました。
ちょっと考えれば、まったく違うことはわかるのですが。
漢字を使っているというイメージだけのことだったんですね。
日本と中国、文字が入ってくるくらい近い国でありながら、はなすことばはまるで違っていた、ということが、不思議な気がします。
中国人や日本人は本がすらすら読めるようになるのに西洋人より数年長くかかってしまう。とはいえ、読み書きができない人は欧米人にもいくらでもいるし、日本の識字率は欧米より高いのだ(たぶん伝えられるほど高くはないだろうが)。文字が複雑だからといって二本は経済大国への道を妨げられもしなかったし、また理論的には十分実行可能なことであるにもかかわらず、漢字を捨てて既存の音節文字を使ったもっと簡略な表記法を採ることもしていない。これは注目すべきことである。
おかしいのは、「たぶん伝えられるほど高くはないだろうが」の部分。
文字の複雑さから考えてということなのか、どのくらいの数字が伝えられているのかわかりませんが、たぶん日本人の識字率は高いはずですね。
「既存の音節文字を使ったもっと簡略な表記法」が、ひらがなですが、平安時代、女性はひらがなのみを使って文字をかきました。
『源氏物語』や『枕草子』がそうですね。
男性である紀貫之も、わざわざ女性になりかわって『土佐日記』を書いています。
そのころの庶民にとっては文字がどの程度ひつようだったのかはわかりませんが、すくなくとも貴族のあいだでは、そのひらがなのみの文を読むことができたのです。
漢字表記があたりまえの現在から考えるよりも、ひらがなだけの文でも、困ることはなかったわけですね。
それならば、なぜ漢字を使い続けたのでしょう。
『文字の起源と歴史』には、その理由のひとつとして、「日本語には同音異義語が桁違いに多い」ことをあげています。
例として、「かんしょう」という語を17個あげています。
ただし、漢字で書かれたこの「かんしょう」のなかで、普通に意味がわかって使うことばは7個くらいです。
漢字という表記方法があるために、わざわざ「奸商」のようなことばを使うばあいもあるということですね。
日本人だったら「奸商」を悪賢い商人といいかえることができるように、どうしても文のその部分を漢字で言わないといけないわけでもないようです。
できあがったものとして日本語をならうと、そういうものとして覚え、疑問ももたなかったのですが、ことばというのは、確固としたかたちのあるものではないのですね。
外国から入ってきたことば、若者がつかういろいろなことば、漢字も常用漢字がさだめられてみたり、現在でも揺れうごいている日本語は、ずっと、幅をひろげたり縮めたり、整理したりしながら、なんとなく、つづいてきたのですね。
その時代ごとには、いろいろな理由があったのでしょう。
漢字が多くてややこしい、忘れやすい、覚えきれないなどのたいへんさはあっても、やはりいまの日本語は、美しいとおもいます。
美しい、華やか、哀しい、朧月、梅雨、紫陽花、などという日本語をならべただけでも、詩がかけそうではありませんか?

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