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白川静さんのことをブログにかいたので、漢字のはなしをひとつ。
きょうは、「親」についてです。
「木」の上に「立」って子どもの帰りを待ったり心配しながら「見」ているのが、「親」なんだよ、というはなしを、親の漢字をおぼえるときやなにかの機会に聞いた方、おおいのではと思います。
でも、違うんですね。
違うとしたらなんてうまくできたはなし、ということころですが、それでは、ほんとうは「親」の漢字には、どういう意味があるのでしょう。
親の左側、「立」と「木」のくみあわせのようにみえますが、そうではないんです。
これは、はりを打った木をあらわします。
はりは「辛」、それと「木」のくみあわせですね。
木に辛をうつとはどういうことでしょう。
「辛」シンは、入墨にもちいるはりのことです。
「親」のばあいは、儀式のさいに神霊を安置する神位を作る木をさだめておくために使います。
右側に「斤」がつけば「新」。
「辛」をうってえらんだ「木」を、おので切り、そうするとあたらしく神位ができたんですね。
「新」は、神意によってことをあらたにする、そんな意味もふくまれるようになったのです。
さて「親」ですが、こちらの漢字の右側は、「見」ですね。
「見」は、目を強調した人のかたちからきています。
とくに、ひざまづいてみているようすです。
「親」のばあいは、あたらしくつくった神位をかしこまって見る、という意味になります。
あたらしく神位をつくり、位牌としてまつるものは、したしい間柄の者、とくにおやということがおおいことから、「親しい」「親(おや)」の意味がでてきたのではないか、ということでした。
漢字には音読と訓読がある、ということを教えられて、そういうものかと思いつつ、ややこしくてしかたがない漢字の多くのよみかたには悩まされてきました。
音読は、中国の読み方。
「新」も「親」もシンですね。
ただ、中国でも時代や地域によって、一つひとつみれば漢字の読み方がちがうこともあるので、日本に入ってきた時代や状況によって、音読もひとつだけに固定されていなかったりします。
訓読は、もちろん日本風の読み方ですね。
もともと日本語は、文字よりさきに話し言葉があって、書く言葉としては中国からはいってきた漢字がはじめてでした。
そこで、漢字のいみするところを日本語でいえばこう、というおきかえがなされたわけです。
漢字は、百済人とともにやってきて、初期の文字は、百済人が書き、日本流に使いこなせるようにしたものであろうと、白川静さんはおっしゃっています。
そんなふうにして漢字を使い始めたものの、公の文書、たとえばそれまで口頭でつたえられてきたものを文書にうつすというようなばあいには、なかなかたいへんだったと思うのです。
「おや」ということを書きたいのだけれど、どの漢字があてはまるのか。
今の漢字辞書のようなものはありませんから、漢字の文書を読んで、この意味ならあてはまるという文字を選んだりするのではないでしょうか。
知っている漢字のなかから、または漢籍のなかから「親」という漢字をみつけて、これだ、と喜んでしまうようなばめんもあったのではないかと思ったりします。
(前略)過去に使用された意味を背後にひそめて、単純な語句に大きな意味を含めることができ、文章に深みを出すことができるのである。『日本書紀』内田英雄
漢字って、そんなもののようです。

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