2009.05.28

一期は夢よ

「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」

作家である栗本薫さん、評論家である中島梓さんが亡くなりました。

 

昨日のラジオのニュースで聞いて、えっと思いました。

グイン・サーガ』というながい長いものがたりがまだ終わっていないのに、どうするんだろう、と思いました。


ショックというには、いまはちょっと距離がありすぎるのですが、この先、なんども、栗本薫さんは、もういないんだということを、自分の中で確認することでしょう。


若かった頃には、生きにくさをずっと助けてくれたのが、栗本薫さんでした。

ものごとを知らなくて、何についても正しいやり方というものがあるはずと思いこんでいたような私は、栗本薫さんの作品でいろいろなひとにであい、それぞれの生き方を知りました。

いまでは夢の中のような、青春時代に、栗本薫さんの存在はみじかにいる人以上のものでした。


 大人の文学は、よくまあ、これだけ不幸に目を凝らすもんだと思われるほどに、重箱の隅をつつくようにして人の不幸をえぐり出しますね。それはそれで、面白いんです。ではふり返って児童文学は何をやっているのかというと、ここ何年か私は、児童文学は幸福に目を凝らしているなあ、と思い始めたのです。子どもの本って、本当に幸福のさまざまな在りようを書いているんじゃないでしょうか。
幸福に驚く力』清水眞砂子


これは、子どもの本について書かれたことですが、栗本薫さんの作品は、子どもの本の延長のようなものとして、大人になる前に、生き方の基本となるようなところを助けてくれたのかなと思います。

栗本薫さんご自身も、自分は、ストーリーテラーである、ということをおっしゃっていたと思います。

ハッピーエンドの物語、主人公ががんばる物語、そして、「一見不幸と見えるなかに、よく目を凝らすといっぱい喜びが潜んでいること、幸福がうごめいている」ことを教えてくれる、人間ってつよいものだなあと思わせてくれた物語たちでした。


「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」という、閑吟集にあるということばも、栗本薫さんに教えられました。

きっといつのまにか、私は、ただ狂っているわけにはいかないという現実の重さにおされて、少しずつくすんできているのかもしれません。


きっと、栗本薫さんは、「一期は夢」を貫きとおしたまま、逝かれたのでしょう。

何ともなやのう 何ともなやのう うき世は風波の一葉よ 
何ともなやのう 何ともなやのう 人生七十古来稀なり 
ただ何事もかごとも 夢幻や水の泡 
 笹の葉に置く露の間に あじきなき世や 
夢幻や 南無三宝 
くすむ人は見られぬ 夢の夢の夢の世を うつつ顔して 
何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ 




 △△△
ランキング参加! 
なるほど!とか感動!!があったら応援クリックお願いします

スポンサードリンク


関連HP栗本薫さんが死去 〜IT media News

関連HP【栗本薫さん死去】「あまりにも早過ぎる」作家、大沢在昌氏 〜MNS産経ニュース

ブログ♪りゅうちゃんミストラル  『栗本薫(中島梓)死去』

ブログ♪島田佳奈公式ブログ 夜明けのショコラ。『憧れの栗本薫さん、逝去』

ブログ♪いい加減社長の日記  『栗本薫さんが死去?』

ブログ♪たちばな屋・ミステリ分科会 『栗本薫と《グイン・サーガ》』

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
出会い系サービス
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。