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いつれのおほむときにかにようこかういあまたさふらひたまひけるなかにいとやむことなききはにはあらぬかすくれてときめきたまふありけり
これ、なんの文章か、わかりますか?
いづれの御時にか、女御かういあまた侍らひたまひける中に、いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれてときめき給ふ有けり。
こう直すと、どこかで見たような、になりませんか?
そう、源氏物語です。


源氏物語の原文というのは、もともとはひらがなだったんですね。
平安時代、女性はひらがな、男性は、とくに公式の文書を書く場合には漢字を使いました。
しかも、濁点や句読点、ちいさい「ょ」などもまだ発明されていなかったので、上のような文になるわけです。
紫式部が書いた文がそのまま残っているわけではないので、上の文は、翻刻資料(架蔵本)をHP『源氏物語の世界』からおかりして、ひらがなに直してみたものです。
ひらがなと漢字がなぜべつべつに使われていたのかといえば、その昔日本人は、文字というものをもたなかったからです。
まず、漢語がはいってきました。
そして、漢字だけで書かれた文書ができました。
『日本書紀』や『古事記』ですね。
いっぽう、漢字の読み方をそのまま仮名として用いる文もでてきました。
万葉集に多く用いられたものです。
いまでいう音読みで、漢字のもともとの意味は関係なく、読み方だけを日本語の発音に当てはめたもの、ということでしょうか。
ですから、同じ「あ」と読むにしても、阿、安、足、余など数種類の漢字の当てはめ方がありました。
これはなんとも、ややこしいですね。
そうこうするうちに、「あ」は「安」、「い」は「以」と書くことが定着しつつ、だんだんに草書体でくずして書くことがおおくなり、げんざいの平仮名になったということです。
もしも、「阿」や「位」をもちいることが多かったら、今とはべつの「あ」「い」になっていたのかもしれませんね。
あいうえお、かきくけこ。
ひと文字づつ見ると、どうしてこんな形?という文字もあるのですが、やわらかくて、きれいな文字です。
そういえば学生の頃の授業で、たぶん聞いたはなしばかりなのですが、こうやってひらがなの成り立ちとして考えてみると、またおもしろいものですね。
『情報編集力をつける国語』のなかの、「古典講座 日本語の文章はこうして生まれた!」(橋本治)を読んで、なるほどと思ったのでした。
ひらがなを覚えたばかりの次男は、「、」や「。」を使うというルールをまだ知らず、小さい「っ」や濁点も使いこなせずに、まるで源氏物語のような文を書いています。
平仮名がいつ、どうやって今のような形に整えられてきたのかについても、興味があるところですね。

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