2009.05.08

子どもを守るために

[学校] ブログ村キーワード

 今、学校は子どもたちの安全を考えるあまり、すっかり子どもたちを管理してしまっています。
 (中略)
こんなことを言うと、過激だと叱られそうですが、人間が本当に自由を求めて生きようとしたら、死もつねに想定しておかないと無理じゃないかと私は最近思い始めました。死ぬということはいつだってあり得るんだということをね。死を含めて考えないかぎり、私たちは自由には生きられないのではないかと思うのです。

幸福に驚く力』清水眞砂子


これを読んで私が思いだしたのは、白血病にかかった2歳の女の子とおばあちゃんのはなしです。

 

それは、『こどもと出会い別れるまで
』という、石川憲彦さんの本にありました。

おばあちゃんは、忙しい両親にかわって孫の女の子の看病をつきっきりでします。
医者が読むような専門書も読んで、孫の白血病をなんとかしようと必死です。

なんとか一時期もちなおし、退院することができたのですが、その後の女の子の生活は、どんなだったでしょう?

おばあちゃんは、孫を守りたい必死のあまり、家を隔離病院にしてしまったのです。

外から細菌を持ちこまないように、納屋を改造して二重扉を付け、着替えをし、手足の消毒をすませた人だけが中に入れます。

それは、子どものお母さんやお父さんにも必要で、週に1回だけしか会うことを許されなかったのです。

ずっと亡くなるまでの2年間、その子どもはおばあちゃんと二人だけで、その納屋のなかの病室で過ごしたのでした。


2歳の子どもだったら、病院からお家へ帰るのが、どんなにか嬉しかったでしょう。
けれども、家に帰ってみても、お母さんといっしょに眠るような甘えも許されず、子どもたちの声を聞くこともなく、花を揺らす風を感じることもできずに、いたのです。

病気のためだったら、しかたのないことでしょうか。

死があまりに近くにありすぎて、おばあちゃんにとっては、子どもの自由などということは考えられなくなってしまっていたのでしょう。


とてもたいへんな病気の方、死と向きあっている方もいらっしゃるので、気楽なことはいえません。
こうしたほうがいい、なんていうことは、とても言えません。


けれど、私の長男も重度心身障害児で、健康状態といったら、健常児といわれるふつうの子どもの、60%くらいかと思っています。

体重も、まるで増えません。

この、体重が増えない、むしろ減ってきているということについて、通っている学校ではとても心配し、痰のからみや嘔吐もあって、健康状態の管理ということを目標のようにつねに言われるようになりました。

健康状態に気をつけてもらうことは、ありがたいことではあるのですが、そのために血中酸素濃度を毎日測定し、定時にうつ伏せ排痰、体重測定も毎日、ちょっとでも体調にかわったことがあれば、即迎えにきて、というような管理が多くなるのは、どうなのだろうと、なにかしっくりこない気がしていました。

痰の多さや、胃食道逆流で嘔吐することがあるなどは、私もわかっているつもりだし、それでもここまでは大丈夫というみきわめもついているつもりでした。

そういう体調のなかで、バランスをとって、その子なりのではあるけれど、できるだけ普通の生活をしてきたはずでした。

けれどさいきんの学校では、管理して、安静にし、ちょっとでも体力を使わないようにと、まるで箱入り息子にされてしまったのです。

だんだんそれは、私にも伝染し、もっと食べさせないといけないとか、体重が100g減ってしまったと嘆いたり、気持ちが暗くなって、いいことがありませんでした。


学年が大きくなり、体調までふくめて子どものことを受入れて、少しでも楽しい活動をしていこうねという考えの先生もでてきて、ようやくいい方向に向いている気がします。

子どもも、生活のリズムができ、学校では目をかがやかせてまわりのようすを見、にこにこして、家とはちがうようすを見せています。

私も、ちょっと大げさにいえば胸のつかえがとれた、というような気持ちでいます。


次男の通う小学校での、まずは危険のないようにといういろいろな注意事項をみても、安全を守る体制をつくることにいっしょうけんめいな大人の姿が見えてきます。


「『こどもにとってよかれ』とか『わが子を守ろう』として大人が考えだす『正しい知識』が、はたしてほんとうにこどもを守る行為につながるんだろうか。」(『こどもと出会い別れるまで』)ということを、考えつつ、子どもの自由な今を、大事にしてあげたいなあと、思うのです。



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