2009.04.27

からかみについて知る楽しみ

ときどきおもしろいなと思って見ている、NHKテレビの「美の壷」、こんかいはふすまを取りあげていて、興味ぶかく見ました。

白洲正子さん、白洲次郎さんのご自宅であった、武相荘(ぶあいそう)の、書斎のふすまは、桂離宮などのふすまも手がけている「唐長」千田長次郎さんの作られたものだそうです。

(前略)私はその仕事に惚れこみ、分にすぎた唐紙を注文してしまったが、……今ではよかったと思っている。美しい襖は、みすぼらしい部屋に、どっしりとした風格を与えているからである。
 千田さんの家には、元禄時代からの版木が蔵されており、私のところの襖の「根引きの松」の模様も、その頃のもので、版木の材は朴である。

『日月抄』白洲正子


 白洲正子の本
唐紙は、漢字からわかるように、中国から伝わった細工紙です。
唐紙はもともと、詩歌を書き記す詠草料紙として作り始められ、後にそれがに張られるようになりました。

室町時代には、お寺や茶室のとして多く使われるようになりました。


その、唐紙には、京からかみと江戸からかみがあります。


唐長は、京からかみの老舗です。

古くは十数件あった京からかみのお店も、蛤御門の変でほとんど焼失してしまい、古い版木は唐長に残っただけだそうです。

その数は、約600枚。

その版木を使った木版画と思えばいいのですが、それは本当に、手のかげんでつくられた職人技のしごとです。

ただ、その手の技を、いかに見せずに一歩引いた良さをだすか、脇役としての襖をつくる、「私自身ももっと後ろのほうに行かんとあかんのと違うやろか」(にほんのこころ)、ということを、唐長十一代目の千田堅吉さんはおっしゃっています。

模様は、草花文を幾何文とくみあわせた有職文様ちゅうしんの公家好み、繊細な植物文様のおおい茶方好み、各お寺の寺紋のほか雲紋などのおおい寺社好み、男性的な硬さのある幾何文様ちゅうしんの武家好み、それから、四季折々の花鳥風月などの数多くの文様のある町家好みがあります。


江戸からかみは、江戸好みのさらに多彩な技法を使った唐紙で、木版刷りに、櫛を使った染め、渋型紙をつかった染めなどで、粋をめざしました。


江戸からかみのデザインにも、ほんとうに魅かれるのですが、京からかみはみればみるほどため息が出るような、そんな美しさを感じます。


ことに、唐長京からかみは、版木の大きさそのままに摺り、一枚一枚を下張りをした襖の上に張っていきます。
版木の大きさは、画用紙大くらいでしょうか。

模様をあわせ、貼るという技術がまた、ひとつの職人技ですね。


顔料の混ぜ方は、その都度つくりますから、微妙な色加減はまいかい違ってきます。
同じものは、二度とできないということです。


唐紙の顔料には、雲母の粉末をまぜて使います。
雲母は、キラとよばれるように、きらめくような、うっすらと光る特徴があります。
部屋の明かりが蝋燭だったころ、薄暗い部屋のなかゆらゆらとした明かりにからかみが淡くひかる、そんな光景を考えただけでも、すてきですね。


白洲正子さんが、惚れこんだというのも、よくわかります。


唐長について調べていたらとてもおもしろくて、気になる文様のことなど、まだ書き足りない気がします。

白洲正子さんの書斎の襖に使われた模様は何か?などについて、また書きたいと思います。

 



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ブログ♪唐長・唐紙フリーク『細竹のぽち袋 』

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