2009.03.17

早春、摘み草

辰巳芳子さんの『味覚日乗』を読みました。

摘み草のことが書いてありました。

もとをただせばからの御馳走ですもの、質素なものです。しかし思い返せば返すほど、筆舌につくせぬ豊かさが繰りひろげられていたと思います。

教育的意義に就いては、一生の幸・不幸を支配するほどの深意がひそんでいたと思います。


この時期ならではの摘み草、みなさんは、なにか心に残っていることがあるでしょうか。

  辰巳芳子さんのすすめる美味しい食材

私自身は、幸でも不幸でもない程度の摘み草経験で、ちいさかったころは、家が農家だったにもかかわらず、とくに摘み草を経験したということはありませんでした。

農家というのは春のこの時期からが忙しく、手間ひまかけて野草を採り、よりわけ、きれいにして食べるという時間的余裕が、なかったのでしょう。

それでも、近所からの頂きものだったり、畑からの帰りにちょこっと摘んだものだったり、ふきのとうや菜の花、芹、三つ葉などの味わいは覚えています。

菜の花や三つ葉はもう、スーパーで買うことがあたりまえのようになって、ほとんど野菜のようですし、ふきのとうやたらの芽などでさえ、栽培されたものが店頭に並んでいます。

お店で買わないと手に入らない方、季節の味わいとして楽しみにしている方もいらっしゃるでしょうから、栽培された野草すべてがよくないと言うわけにもいきませんが、「やはり野に置け蓮華草」ではないかと思っています。

ハウス栽培などによって、旬の季節とはずれがでてくるでしょう。

暖かくなったから、雪が溶けたから、そろそろいつものあの場所に、出ているかもしれないと探しにいき、まだ芽がほんの小さく出ていたところだからもう少しまってから、と、季節との駆け引きをしながら摘み草をするところが、良いのだと思います。

いくらでも買えるではなく、貴重な春の新しい芽をいただく、ということでも、自分で土と新芽の香りを感じながら、摘み草をしたうえでの料理というのが、やはり本来なのでしょう。


そうはいっても、さいきんの事情では、どこで摘み草をしようかと考えてしまいますね。

道路脇に蓬などがはえていたとしても、排気ガスをあびたほこりっぽいものを摘む気にはなれません。

他の人の畑のなかに、なずなをみつけても、入り込んで摘んでしまうのには遠慮があります。

畑や田んぼのあぜ道も、圃場整備したところでは、のはえ方も以前とは違ってしまっています。


日常生活のなかでいとも簡単に行われていたことが、現代の状況のなかでは、難しくなってしまっているのですね。


それでも、子どもが小さいうちなら、わざわざでも、時間をとってでも、この季節に摘み草を経験させることができるといいなあと思っています。


子どものとき、蓬のやわらかいほわっとしたを採ってきて、石のくぼみにおいて、小石で打ったり擦ったりして、ままごと遊びを楽しんだことを思いだしました。

 

 彩 コラム


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この記事へのコメント
彩さん はじめまして。
摘み草いいですよね。
私は秩父に来てからこの地方で「やつば」と呼ばれている草をはじめて知りました。
漢字はたぶん八葉です。
明日葉とミツバを足して2で割ったような香りです。ほうれん草のおひたしに少し入れるとおいしいんですよー
日本って豊かですね。
Posted by 園長 at 2009.03.19 07:11
園長さん、はじめまして、いらっしゃいませ。

やつば?
知らないですねえ。
やっぱり、知らないことってあるものですね。
日本国中だったら、いろいろ食べられる草も、たくさんあるんでしょうね。

ちょっと苦かったり、風味があるのがおいしいんですよね。
Posted by 彩 at 2009.03.19 12:16
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