2008.10.17

さしこの布団

季節青緑の彩り


ふとん干しが嬉しい季節になりました。

そろそろ、しっかりした厚いふとんの出番です。

お日様にあたってほっかりしたふとんのあたたかみ、たまらないですね。


ふとんというと思いだすのが、


あったか おふとん



赤毛のアン』にでてくる「木綿のさしこのふとん」。


まだパッチワークのことばも知らないころ、この「木綿のさしこのふとん」というのはどういうものか、気になっていました。

訳者によって違うのでしょうが、私が高校生のころから読み親しんでいる、新潮文庫の村岡花子さん訳の『赤毛のアン』には、パッチワークということばは出てこないように思います。


冒頭で印象的に登場するレイチェル・リンド婦人が、このさしこのふとんの大家で、「『十六枚もつくったんだとさ』とアヴォンリーの主婦たち」のうわさになるものです。

また、アンが「赤や白の菱形の布をうずたかく積んだ前」にすわって、「あたし、つぎものって好きじゃないわ」と言う場面があります。
これら」は、パッチワークやキルトのことでしょう。

ふと見れば、この『赤毛のアン』は、昭和29年が初版発行なので、わざわざパッチワークということばを、日本風に訳してあるのかもしれませんね。

他の訳者の方の本、または原文ではどういっているのか、興味のあるところですね。


パッチワークのことばもごく自然に聞き覚えたころ、わたしは『赤毛のアンの手作り絵本』を、3冊セットで、えいっとばかりに買いました。そのころの自分には、かなり高額だったのです。

赤毛のアン』に登場する、料理やお菓子、パッチワークももちろん、アンが身の回りで使ったであろう小物、雑貨などのつくりかたを紹介する本です。
アンの世界にあこがれていたわたしは、とびつくようにして買ってしまったというわけです。

レイチェル・リンド婦人のつくったであろうふとんも出てきましたが、これは、少し私のイメージからはずれていました。
それでも、スコーンをつくってみたり、お料理をつくってみたりして、『赤毛のアン』の本当の世界に少しだけふれてきがしました。

パッチワークは、なかなか完成させられなかったのですが、のちに他の本で知ったマリラ風の「丸い、編んだ敷物」は、作り方が楽しくて気に入っています。


こんなふうに、パッチワーク、お菓子作りなど、手作りの楽しさをおしえてくれたのは『赤毛のアン』です。
ほかにも、『大草原の小さな家』のシリーズにも、手作りのあふれる生活の様子がでてきますね。

さいきんでは、『赤毛のアン』や『大草原の小さな家』などに関連した手作りの本はずいぶん出版されています。
女の子の憧れる世界なのかもしれません。


けれども、もともと、女の子のためにロマンティクな世界を書いたというわけではなく、普段の生活を普通に描いたら、そのなかに手作りのものがたくさんありました、ということだと思います。
作者が女性なので、細かな生活の様子を描いているということは、あると思いますが。


さて、日本のお話、小説、のなかに、こんなふうに生活ありのままをえがいて、その世界にいってみたい、と思わせるようなものがあるでしょうか。

赤毛のアン』にえがかれているのは、カナダの生活、文化です。

日本の生活文化が、ストーリーのあいまから感じられるような読み物、あるでしょうか。


いろいろ考えてみて、『源氏物語』は、そうであるように思われます。
お香、十二単などの衣装、すだれ、家のようすなど、こまかに描かれていますね。
重ねの色目など、とても興味をかきたてられました。

それでも、『源氏物語』の世界は、平安時代のある特定の人々のはなしで、けして、いっぱんの人々の普通の生活ではありませんよね。
わたしが知らないだけかもしれませんが、ひろく知られたものがたりのなかで、日本の生活を思い起こさせるようなものは、なかったように思います。

こんなふうに、生活の様子をもっと知ってみたい、とあこがれを掻立てられるのは、やはり自分の現在の生活と違っているからなのでしょうか。


その時代、国、文化、にあこがれ、行ってみたいと思わせられるような小説、物語を読むことを、もっと楽しみたいなあと思っています。


 アンと楽しむカナダの世界


赤毛のアン』についてのブログをよみたいかた⇒こちら


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